2019年04月22日
琉歌の作り方1:小学生から高齢者まで
琉歌の作り方1
沖縄の短歌、琉歌を小学生から高齢者まで、作ることができるブログ。
古典として伝わる伝統的琉歌を紹介して文字(音)数や上句、下句など基本を覚える。すぐに琉歌を作ることができるように作品例を紹介します。今回は「しゅらさ」で琉歌を作りました。このブログでは「書く」というのを「詠(よ)む」と表現してます。
初めに
当ブログで琉歌を作る基本的な考えがあります。目を通してください。
伝統的な琉歌を古典琉歌と呼んでます。昔の文字ではなく、今の沖縄方言に近い言葉の表現になる。
基本の発音表記8886音で作ります。文字(音)数と表現。
3+5文字(音)数や上句、下句の区切りは句読点(てん 、や まる 。)で分けてます。
現在使ってる言葉で作るのを基本としてますが、今も使える沖縄方言を使っていただきたくて、記事の中でいくつか紹介します。
作品例は、じっさいに記事を書きながらの自作ですので、作り直しもあります。
琉歌を作るときに、完成度(他人の評価)よりも自分の心にある「思いを表現できたか」を中心に考えます。
これからも気づいた事柄は、この段に追加します。
琉歌の古典で書き方の基本が分かります
「しゅらさ」という古語で琉歌を作る。「しゅらさ」が詠まれている琉歌の紹介。
文字(音)数は句読点で区別してます
- 「春や花盛い 深山ウグイスぬ 匂い忍でぃ ふきる 声ぬ しゅらさ」
- 上句
- は、る、や。 は、な、ざ、か、い。 み、や、ま。 う、ぐ、い、す、ぬ。
- 下句
- に、う、し、ぬ、でぃ。 ふ、き、る。 く、い、ぬ。 しゅ、ら、さ。
文字(音)を3,5と分けるのにも、決まりがあるといわれてますが、このウタでは上句が揃っている。思いを大切にして詠んでます。声(くい)が素晴らしい、という意味で「しゅらさ」を使っている。
- 「春や 野も山も 百合の花盛い 行ちすゆる袖ぬ 匂いぬ しゅらさ」
- 上句
- は、る、や。 ぬ、ん、や、ま、ん。 ゆ、い、ぬ。 は、な、ざ、か、い。
- 下句
- い、ち、す、ゆ、る。 す、でぃ、ぬ。 に、う、ぬ。 しゅ、ら、さ。
このように「匂い(にう)。声や音」などが良い、素晴らしいという時に「しゅらさ」と表現します。 見て分かるもの「景色や人間。心」には「ちゅらさ」です。ちむじゅらさ、と心にも使えるのは覚えて置くべき表現です。
琉歌で最初に考えるのは自分の気持ち。短歌や俳句と似ている。身近なモノでは歌詞ですね。文字数を合わせるところは歌詞と同じ。 好きな歌の言葉を変えること(かえ歌)で、琉歌へ合わせる言葉選びも練習できる。難しい言葉で語彙力(ごいりょく)といって、別の言い方を多く覚えることになります。
知っていると琉歌が作りやすい。表現を広げるためのページがあります。 琉歌の表現を広げる文の彩(ふみのあや)別窓表示
さっそく「しゅらさ」で琉歌を作りましょう。書き方も分かるように説明します。
琉歌を作ります。「しゅらさ」で書く、詠む。謡う
琉歌は詠(よ)む、謡(うた)う、と言われてます。話し言葉で表現するわけ。だから、沖縄方言をいつも使う人は、沖縄方言。日本語を使う方は日本語。外国の方なら外国語で良い。
なぜ琉歌が方言か分かるページ。琉歌は、なぜ方言か 別窓表示
なぜ琉歌とか短歌を作るのか気づくページ。琉歌は心で詠う 基本さぁ 別窓表示
自分の思い(うむい)が大切ですね。 私たちは琉歌らしくするため、古典的表現「しゅらさ」などを使いたいわけです。沖縄方言では「しゅらあさ」と伸ばして発音してました。地域で変わると思います。今回は「しゅらさ」と表記はします。
では先ず、何を「しゅらさ」と思ったか。鳥の声、川のせせらぎ、海、潮騒(しおさい)ですかね。潮騒の意味は波の打ち寄せる音 今回は沖縄らしく、砂浜に打ち寄せる「潮騒」で琉歌を作ってみます。
どこに「しゅらさ」を置くか考えてみよう。「最後ですかね。歌ではサビになる」最初に持ってくるのも有りですが、、。
「潮騒〇 しゅらさ」
「しゅらさ 潮騒〇」
逆にするだけでも、後から来る言葉は変わってきます。どうしましょうかね。こういう時は波の音を想像して、思いだした場所や出来事を詠む。書くということ。
ナビービーチへ 着けば 潮騒の しゅらさ ちゅらさ バスガイド 声も しゅらさ
上句から下句が予想外も面白い。このウタは予想できますね。ただ、ナビービーチへ観光バスが来るか調べないと笑われる。事実と全くちがうことは書けない、詠めないです。
じゃあ、別の琉歌を考えよう。
しゅらさ 潮騒は 悩み 打ち払い 打ち明けよう 君に 恋し 思い
恋のウタですね。波の音は心を落ち着かせます。癒(いや)し、と言います。恋する思いを相手に伝えたいと詠んでます。
難しくなりましたか。明るい感じや暗い感じとか。今の気分を書くのが琉歌。
あれっ、なにか違う気が、、。
ちょっとねー。何か忘れている。波の音、で行きましょうか。ごいりょく、というモノです。
普通に話すとき「しおさい」と言わない。話し言葉が良いと、言ってたけれどねー。潮騒は、波の音 響き。ざわめき、
波の音で良いかな。一番に使われている表現だから。
じゃあ、さあー、波の音、で作りましょう。
波の 音が誘う ナビービーチの デートは 濡れて 触れ合った 髪の しゅらさ
夏ですか、ビーチですよ。触れ合うのは髪だけではない。海の匂い、太陽で焼けた匂い。お互いが身近に感じられるのがビーチですね。
「波の」と「音」を分けても意味が分かれば、使えるやり方です。
琉歌の書き方:今回のまとめ
琉歌の基本:3,5と文字(音)を分けて8文字(音)数。8、8、8、6にする。つまり、場面が4か所ある感じ。
ごいりょく:話し言葉で書く。言葉の別の言い方も覚える。また、多くの言葉も覚える。
風景や出来事を想像して言葉にする。「楽しかった」なら「何をしたから」「どのように考えたり感じたりしたか」を書いてみる。
上句は風景や出来事の始まりを詠むのが基本。 分かりやすいから。
下句で思いや気持ち、結果や、これからどうしたいか、などを詠む。
上句から思いがけない下句を詠めたら良い琉歌になる。
今の気分を素直に詠んでみる。文字(音)数はあとから推敲(すいこう)という事をする
「すいこう」とは: 書いたのを読み返して文字を変える。「私は」を「私が」へ変える 言葉の順序を入れ替える。 意味が分かるなら、言葉を分けても良い。幼馴染(お、さ、な。 な、じ、み)
琉歌作りの基本的な事が分かるページ紹介
奄美から八重山、与那国島まで広がる琉歌、島唄の世界。代表的な作品名と個人的な印象を書いてます。各地の方言(言語とも理解されている)でそれぞれの詠み方がされています。また、共通点も多いですね。ちょっと琉歌の事を調べたいときに基本的なことが分かるページです。
琉歌が方言なのは、自分の言葉で自分の思いを謳うからですね。今でも使えそうな沖縄方言も書いてあるページです。
琉歌や短歌を作る理由は、思いを表現したいから。基本的な事も述べてます。若いころの琉歌を載せてあるページ。
結局は沖縄民謡のカラオケに合わせて歌えば、琉歌みたいになるということ。自作琉歌も載せてるページ。
有名な琉歌の一部を変えて行く。そして別の琉歌にする作品例を紹介しているページ。
琉歌と和歌の共通点は思いを詠うこと。その中で現代短歌へ続く和歌。琉歌も少しは変わるべきというページ。
琉歌は話し言葉という考えです。文章の書き方を参考に表現の仕方を考えてみました。役に立てるページxです。
それまでお身体だいじにしてください。