2019年06月04日
琉歌を作る7沖縄方言を使ってよう
琉歌の作り方7
沖縄方言を使って作る琉歌
今回は沖縄方言から「うち晴りてぃ」を使った琉歌を作ります。直接の意味は「すっかり晴れた」ということ。天気や人の心、思いにも使えます。古典から琉歌の例を紹介します。
古典琉歌1
かき曇てぃ降たる。雨やうち晴りてぃ。慶良間渡にかかる。虹ぬ清らさ。
上句:か、き、く、む、てぃ。 ふ、た、る。
あ、み、や。 う、ち、は、り、てぃ。
下句:け、ら、ま、どぅ、に。 か、か、る。
に、じ、ぬ。 ちゅ、ら、さ。
雨雲が広がり降り出した雨も止んで。慶良間島に虹が架かって清らかと詠んでます。美らさ、より清らさ、が良い雰囲気をだしてますね。
ここでは雨が晴れた、と言葉通りの意味で使われてますが、ゆううつな雨が止んで「心も晴れやかになった」と気づきます。
古典琉歌2
かりゆしぬ遊び。うち晴りてぃからや。夜ぬ明きてぃ太陽ぬ。上がるまでぃん。
上句:か、り、ゆ、し、ぬ。 あ、し、び。
う、ち、は、り、てぃ。 か、ら、や。
下句:ゆ、ぬ、あ、き、てぃ。 てぃー、だ、ぬ。
あ、が、る。 ま、でぃ、ん。
遊び(あしび)にも深い意味があります。これは専門家に聞いたほうが良いでしょう。「かりゆし」と詠まれてますから、めでたい、良いことがあった。ここで「うち晴りてぃ」は心の中ですね。誤解も悩みもない状況。夜明けまで遊びましょう、となる。今でいう「遊ぶ」というより「お祝い」をする感じ。当時はすべて「ご先祖様」に関わってくるらしい。
琉歌の作り方。沖縄方言「うち晴りてぃ」で作る
古典琉歌の使い方で、心に合う表現を選べば良いわけですね。どうしても、自分の思いが入ります。
何か「心がすっきりした事」とかもテーマになりますね。テーマを見つけるための言葉が「うち晴りてぃ」というわけ。
何か「すっきりさせたい願いや思い」でも使えそうです。
うち晴りてぃ、後が。 果報も、巡る。
下句はできたが、どうしましょうか。最初に浮かんだ言葉を使ってみるのは基本です。
あれこれと、探す。 旅が、人生さ。
うち晴りてぃ、果報は。いつか、巡る。
あまり、、、ですねー。浮かんだ言葉を「すっかり諦める」方法もありますね。
ここで今まで作った琉歌をみてみる。「うち晴りてぃ」を使ったらどうなるか、、面白いですね。
前に話した推敲(すいこう)です。
琉歌の作り方1 別窓表示:初めにで、このブログの基本的な考えが書いてあります。
前の作品を「うち晴りてぃ」を入れて作り直す
第1回テーマは「しゅらさ」
「波の 音が誘う ナビービーチの デートは 濡れて 触れ合った 髪の しゅらさ」
別の琉歌になりますね。
喧嘩した、君に。メールを送ったよ。
うち晴りてぃ、あとの。 声のしゅらさ
琉歌の作り方2 別窓表示:第28回琉歌大賞で、癒しと希望を感じると感想を述べる。
テーマは「海」
蟹(カニ)は、 泣いている。 埋め立てた、 浜で。 蟹は 、諦(あきら)めん。海の、 夜明け。
もっと明るい琉歌にしましょうか。
カニの、みつめてる。 荒波の、海も。
空が、うち晴りてぃ。カニも、笑顔。
琉歌の作り方3 別窓表示:「テーマの決め方」から「カラオケで歌う」までを紹介。
テーマは「うりずん」
「うりずんの、花が。 匂い、 誇りあい。 みやらびは、想い。 風に、乗せる」
これは最初に作った琉歌。実は、うち晴りてぃ、も候補にあがってました。
うりずんの、花は。 濡れて、泣いていた。
雨も、うち晴りてぃ。 風に香る。
琉歌の作り方4 別窓表示:遠回しで、言いたいことを表現する方法が書かれてます。
テーマは「母親への感謝」
花びらが、散って。 流される、川も。 戻る、故郷に。 人の、情け。
この琉歌に「うち晴りてぃ、、」難しいですねー。
わがままな、俺も。 浮世、知りました。
うち晴りてぃ、今は。人を、お世話
琉歌の作り方5 別窓表示:「てぃんさぐぬ花」から新しい琉歌を作る。当ブログの秘密の作成法。
上句:雨が、降り出して。ちょうちょが、こんにちは
下句:飾らない、部屋に。花の香り
これの下句を「うち晴りてぃ」にする!?
逆にしてみようか。琉歌や短歌で気持ちの表現は「なんでもありです」
梅雨も、うち晴りてぃ。 心、うきうきと。
ちょうちょも、こんにちは。 踊り、ましょうか。
琉歌の作り方6:感受性と感性を分かりやすくしてます。
テーマは「若夏」
若夏の、空で。 見えた、青空は。 ダイビング、してた。 君の、笑顔。
これは思いが「うち晴りてぃ」ですよ。
また梅雨ですか。いま現在梅雨の時期ですから「しかたないね」
五月雨が、去れば。 若夏も、終わり。
うち晴りてぃ、見える。 空の、清らさ。
前の作品が良かったりしますねー。自分の作った琉歌を読みなおしてみるのも大切です。
確かに言葉が浮かばない時もあります。琉歌は感情、思いの表現。
作れないときは作らない。こういうときは、何かを吸収しているわけです。
この吸収したのを表現するときが来ます。
気楽に楽しく、琉歌作りを続けるのが一番充実した生活になりますね。