参考文献
ふるさとの歌 与那覇政牛先生の著作 野村流古典音楽保存会
南東文学 外間守善先生の著作 角川書店
近世沖縄の肖像 池宮正治先生の著作 ひるぎ社
琉歌大観 島袋盛敏先生の著作 沖縄タイムス
集成琉歌新訳 阿波根朝松先生の著作 沖縄タイムス

プロフィール
春緒うるま
春緒うるま
poetry talker上間春緒です。netで『うえ間はる』『春緒うるま』『うるま』と名乗ってました。
「琉歌が変わるねっと」では親しみやすい沖縄のウタを紹介、作りながら楽しみます。何かの役に立ったら嬉しいですね。
 ライフワークは詩と琉歌を創作、ポエトリーリーディング・スポークンワードで演出。
良い雰囲気で充実した『天然流』の生き方を提唱します。


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2019年04月29日

琉歌を作る3。テーマを決めて歌えるまで、作り方の具体的な例

琉歌を作る3

 わかなつ、は和歌 夏じゃなく若夏。対語のうりずんがテーマ。今回は琉歌を、初めから作るやり方。完成した琉歌を歌ってみるまで具体例で紹介します。

初めに琉歌の作り方1から読めば、もっと分かりやすくなります。
琉歌の作り方1 別窓表示 


  • テーマを決める

  • 言葉を選ぶ

  • もっと良い表現がないか考える

  • 曲に合わせて歌ってみる

先ずはテーマの決め方ですね。

琉歌でテーマは「楽しい」「悲しい」など多い

 雨が降ったり太陽が雲の間から出たりの天気でした。それをテーマにするのも良いですが、見つけたのは「草や木の若葉が出てきている」「咲く花も知らない間に増えてきた」

 それで、元気になる植物に力強い生命力(せいめいりょく)を感じました。これをテーマにしようと決める。この感じる気持ちが大切

この季節は春ですね。やはり琉歌なら沖縄方言も使いたい。一般に知られえてる言葉なら、今の言葉と一緒に使ってもおかしくない。

うりずん、です。旧暦の二月から三月。「うりずんの植物」がテーマです。それで、言葉を選ぶわけ。

琉歌は思いを言葉にする

 先ず上句から。うりずんの、、、。何にしましょうか。あれこれ多くのモノは選べない。
沖縄の桜は冬ですね。間違っても「うりずんに桜」ではない。

草木を詠むなら「花」だと何気なく感じてはいる。それなら何へ心を動かされたか。
 一つではなく、咲きそろっている姿が競い合う感じ

「うりずんの 花は
競い 咲きそろい」

競い、ではちょっと表現が気になりますが、後から考える。次は下句です。流れから「うりずん」を下句へ移しても持ってきても良い。

下句は、どうしましょう。ここで当時(30歳ごろ)は琉歌の決まり文句を使いました。

「みやらびぬ思い」琉歌でよく使われる表現も役に立ちますね。最後の6文字(音)数。

みやらび(若い女性)は、どうした。うりずんの花と若い女性。季節は春。春風ですかね。

「みやらびぬ思い 風に乗せて」

みやらびや、が良いか。など(すいこう)も必要ですね。それで

「うりずんの 花が
 匂い  誇りあい
 みやらびは 想い
 風に 乗せる」
 「誇りあい」になってる。「思い」が「想い」になっている。次に話す、良い表現がないか、詠む間いつも考えてますね。

もっと良い表現がないか考える語彙力と推敲

琉歌の作り方1で話したように「ごいりょく」を広げて「すいこう」することになります。
 作りすぎて文章みたいになる例。もっと話し言葉にしたいですね。

「さきそめし 花の
 匂い 風を染め
 みやらびぬ うむい
 かぜにのせて」

 うりずん、が消えましたねー。まず「うりずん」を入れる。そして他人事、みたいな感じが、ずっとしてますね。「みやらび」の言い方を変える。

「いろいろな 花の
 匂い 風に乗り
 うりずんの 僕は
 恋の 季節

 これが当時の正直な気持ちかもしれない。前に話した「ぎじんか」ですね。花は異性(男から女。女から男)を例えるときもある。ともあれ三句できたら歌えますね。

琉歌を作り歌うには、カラオケを使う

 カラオケに合わせると歌えますが、音程に気を付けないとうまく歌えますね。
そして文字(音)数を同じようにすることが必要です。
 例えば沖縄民謡で歌う場合8文字(音)数の分け方が「3,5」と「5,3」になるところに注意します。どちにしても、音楽に乗せて歌えれば良いですね。
 また著作権(ちょさくけん)というのがありますから映像や歌を動画で公開はしないようにしましょう。

 youtubeからてぃんさぐの花を紹介します。やはり8文字(音)数があわないと、おかしいですね。しかし、三味線の音に合わせるとできます。

「はーなーやー」と伸ばしますから
「かぜにのーり」と音符に合わせられます。ちょっと歌いなれないと難しいですね。

カラオケの歌に合わせて作りなおすか、別の歌を探す。
カラオケで歌いたいときは、初めから言葉の分け方、3+5か5+3か調べることが大切ですね。

 


いろいろな 花の  風に乗る 匂い琉歌を作る3。テーマを決めて歌えるまで、作り方の具体的な例
うりずんの 僕は  恋の 季節  うりずんの 僕は 恋の 季節」
歌では繰り返し部分をサビと言います。一番の言いたいことですね。




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Posted by 春緒うるま at 19:25 │琉歌を作る実践