参考文献
ふるさとの歌 与那覇政牛先生の著作 野村流古典音楽保存会
南東文学 外間守善先生の著作 角川書店
近世沖縄の肖像 池宮正治先生の著作 ひるぎ社
琉歌大観 島袋盛敏先生の著作 沖縄タイムス
集成琉歌新訳 阿波根朝松先生の著作 沖縄タイムス

プロフィール
春緒うるま
春緒うるま
poetry talker上間春緒です。netで『うえ間はる』『春緒うるま』『うるま』と名乗ってました。
「琉歌が変わるねっと」では親しみやすい沖縄のウタを紹介、作りながら楽しみます。何かの役に立ったら嬉しいですね。
 ライフワークは詩と琉歌を創作、ポエトリーリーディング・スポークンワードで演出。
良い雰囲気で充実した『天然流』の生き方を提唱します。


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2019年06月15日

琉歌を楽しむ面白さ

琉歌で夏を詠む、テーマ蝉(セミ)

琉歌を楽しむ面白さ

 琉歌を作るときは「ごいりょく」「すいこう」が大切と気づきますね。
知らないこと、気づかなかったもの」を感じられるようになるのが面白い

 今回は昔の作品を参考にちょっとなおしたり一行知識を紹介します。
琉歌がかわるねっとでは現代語を中心に作ってます。分かりやすい紹介を
琉歌の作り方1小学生から高齢者まで初めに 別窓表示へ書いてます。

過去作品「蝉(セミ)」

セミの、亡骸を。 儚いと、思う。
人の、哀れさは。 どこに、あろう。

土の中、生きた。 年月を、知らず。
騒ぐ、世の中に。 セミは、泣くの。

セミの、真似をして。 華やかに、歌う。
苦労、しただけの。 思い、込めて。

 三番目の句なら「思いは分かる」といった感じですね。セミで案外知らなかったこともありました。やはり調べるのは大切。それが楽しみです。

「セミを食べる」琉歌にしなかったわけ

 セミといえば、幼虫が食べられるということ。浜辺の波打ち際で貝と一緒に捕りました。
アメリカ合衆国や中国でもセミを食べる習慣があるようです。東南アジアや沖縄でも同じですね。食べてました

 セミの成虫や抜け殻も食用や薬として使われているらしい。今は消えた沖縄の風習として琉歌にしたら面白いでしょう。ただ、昆虫を食べるという話を聞きたくない方も多い。 

一部でも他人へ不快感を与える琉歌に抵抗があります。幼いころの思い出として良い作品も作れそうですが残念ですね。

セミが長生きの昆虫だと琉歌で詠む

 セミの飼育は難しい。メジロやウグイスとは違いました。ただ、自然の中で一か月ぐらいは生きているらしい。これは成虫の話。
幼虫として土の中で長く生きてます。
ツクツクボウシは約1~2年
ミンミンゼミは約2~4年
アブラゼミは約6年

アメリカには13年や17年も土の中で生活しているセミがいるらしい。

 ほかの昆虫だと平均寿命は短いのが多い。
蜘蛛(クモ)やムカデが6年ぐらい。サソリの幅は広いが8年ぐらい。
よく知られている昆虫 
クワガタ。テントウムシ。約2~3年
働き蟻(アリ) 約1~2年
コオロギ。バッタ。蛍(ホタル)。カブトムシ。 約1年
トンボ。蝶々(ちょうちょ)。蜂(ハチ)1年以内

 セミは長生きですねー。やはり騒がしく泣いて静かになるのが短い印象を与える。これを琉歌にしたわけですね。

「セミの、亡骸を。 儚いと、思う」
 なぜセミの亡骸をみて儚いと感じたかを下句にしました。
「人の、哀れさは。 どこに、あろう」
 答えになってないような気もしますね。1番目の句は下書きと考えましょう。

土の中、生きた。 年月を、知らず。
騒ぐ、世の中に。 セミは、泣くの。

「年月」のほうが良い感じ。下句は変えましょうか。「流れゆく、噂」「セミの、涙」
やはりセミも自分の思いを表現する比喩(ひゆ)だったりします。参考に
琉歌の表現を広げる文の彩 別窓表示を読んでいただけば分かりやすいでしょう。

 次に思いを昇華(しょうか)させる、と呼ばれる方法があります。
昇華(しょうか)とは:満たす事が出来ない欲求を、高度で社会に認められる目標に変えること。

今の琉歌でいうと「土から出たセミを悪くいう噂がある」の意味です。これを前向きでもっと自然に受け取れる表現にすることになる。

 それが3番目の句です。

琉歌は希望と癒しを詠むもの

上句
トンネルを、抜けて。 浮世(うきよ)、眺(なが)めつつ。

下句
つらさ、楽しさを。 セミと、歌う。

 3番目の句を変えました。セミという昆虫を分かるほど成虫の姿は高齢者の励みになると感じます。今だから思い切り楽しもうとセミが歌っているのですね。

 自作の琉歌を変えるのも楽しみで充実した生活になります。ちょっと調べると知らなかった面白いことも発見できますね。
 たとえばニガウリ。ごーやー。です。ネットや書物で調べると思いがけないことが分かります。それをお互いに感受性で「どのように詠むか」

自分の経験や体験と知らない事への興味が琉歌を作る基本であったりましますね。



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Posted by 春緒うるま at 20:04 │琉歌を作る実践